工程能力指数とは?
工程能力指数とは、その工程が製品を作るにあたって、品質に対する能力をどのくらい出せるかを表したものです。
そもそも品質というのは、決められた規格値の中に製品の寸法などを収まっているかどうかを問うものなので、いかにその工程で作られた製品が規格値の中に入ることができるのかを数値で表したものになります。
例えば100個生産するAとBの2つの生産ラインが存在したとして、Aは100個に1個規格外品が発生し、Bは100個に3個規格外品が発生する場合、Aの方が工程能力が高いということになります。
さらに詳しい解説や工程能力指数の計算方法などは、以下のサイトで紹介されているので、チェックしてみてください。
CpやCpkは一般的に1.00~1.33が適正値とされており、それ以下だと工程能力が不足しているとされ、それ以上だと過剰な管理(過剰品質)をしているという評価になります。
伸線加工での工程能力
伸線加工における工程能力指数ですが、伸線加工における品質項目となると、多くの場合に求められるのは以下の2つだと思います。
- 線径
- 引張荷重・引張強さ
線径の工程能力
伸線加工で最も求められる品質項目ですが、伸線加工では線径の工程能力を求めることは向きません。
伸線加工の線径は伸線ダイスの穴径によって左右され、基本的に伸線すればするほど太くなっていき、線径規格値内に収まらなくなりそうになったら、交換を実施することが多いためです。
製品や会社の方針によって異なるかもしれませんが…
工程能力指数は、規格値の上限・下限への近さと、ばらつきの大きさによって計算をしますが、伸線加工では線径がダイス摩耗によって太っていくことを考慮し、規格下限に近い穴径の伸線ダイスから使用を始め、規格上限に近づいたところでダイス交換を実施するため、結果的にばらつきが大きくなってしまいます。

そのため、伸線加工の線径に関して一般的な考えで工程能力指数を計算すると、実際には何も問題は無いのに低い値となってしまうため、その伸線工程に問題があるかのように見えてしまうため注意が必要です。

引張荷重・引張強さ
これに関しては、一般的な工程能力指数の計算で求めることが可能です。
伸線加工によっての引張強さの上昇などは、そもそもの材料の状態によっても左右されるためコントロールは難しいところではありますが、工程能力指数を求めることで能力の目安になると思います。
熱処理などがある場合には、熱処理後の引張荷重・引張強さの工程能力指数を計算することにより、熱処理工程の工程能力として参考になるデータとなります。
伸線加工での工程能力
工程能力指数は、一般的には工程の安定性や管理状態を客観的に把握するための有効な指標です。
しかし、伸線加工のようにダイス摩耗によって寸法が一方向に変化していく工程では、工程能力指数の考え方をそのまま当てはめると、実態とは異なる評価になってしまうことがあります。
特に線径については、工程として問題がなくても工程能力指数が低く算出されるケースがあるため、「数値だけで良否を判断しない」ことが重要です。一方で、引張荷重・引張強さのような数値については、工程能力指数を算出することで、伸線条件や熱処理工程の安定性を把握する目安になります。
伸線加工においては、工程能力指数を目的に応じて使い分け、工程の特性を理解したうえで評価することが大切です。
数値を出すこと自体が目的にならないよう、現場の実態と合わせて工程管理に活かしていきましょう。


